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[13-2.9]非列強国の動向

13-2.列強の動揺とヨーロッパ再編成

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はじめに

グシャケン
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前回はこのような内容でした。

グシャケン
グシャケン

今回は非列強国の動向についてです。19世紀のヨーロッパで、非列強国はどのようにして国内を安定させたんでしょうか?

それでは一緒にみていきましょう!

MQ:19世紀のヨーロッパで、列強以外の国々はどのように国内の安定を築いたのか?

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北欧諸国

スウェーデン

19世紀のヨーロッパでは、イギリス・フランス・ロシア・オーストリア・プロイセンといった「列強」を中心に情勢が動いていました。

グシャケン
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今回はその列強国の周辺国の動向について、北欧・スイス・オランダ・ベルギー・スペイン・ポルトガルを中心に見ていきます。

まずは北欧からみていきます。

18世紀までスウェーデンは「北の強国」と呼ばれて、バルト海の覇権をめぐってロシアと激しく争っていました。

ところが、ロシアがピョートル1世の改革で軍事力を高めて、バルト海へ進出すると、スウェーデンの国際的地位は徐々に低下していきます。

しかし、19世紀初めにスウェーデンは大きな転換点を迎えます。

ナポレオン戦争後のウィーン会議で、デンマークからノルウェーを割譲させて、スウェーデンとノルウェーは同君連合になりました。

グシャケン
グシャケン

ノルウェーは強く反発したそうですが、スウェーデンは軍隊を派遣して無理やり鎮圧したそうです。

これによってスウェーデンは北欧での影響力をある程度維持しますが、列強と呼べるほどの勢力にはなりませんでした。

その後、スウェーデンは19世紀前半に立憲制と議会政治を確立して、政治的な安定期を向かえます。

議会では貴族の力が強かったため、国民との対立もありましたが、19世紀後半には自由主義的改革が進んでいき、鉄鉱石の産出や鉄鋼業の発展によって経済的にも成長していきました。

グシャケン
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ちなみに、スウェーデンの鉄鉱石は「質が良い」ことで知られていて、後にドイツが第一次・第二次世界大戦でスウェーデン産の鉄鉱石を欲しがったほどだったんですよ。

近代 スウェーデン

ノルウェー

さきほども説明した通り、ノルウェーはウィーン会議でスウェーデン領になりますが、これはノルウェーにとって必ずしも歓迎すべきものではありませんでした。

外交権をスウェーデンに握られたことへの不満が強まっていき、国民投票によって独立が決められます。

グシャケン
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この国民投票は「ほぼ満場一致」で独立賛成だったと言われています。 国民が一体となって独立を選んだという点で、ヨーロッパ史の中でも非常に珍しいケースなんですよ。

しかし、スウェーデン軍の介入していきて独立派が鎮圧されてしまい、最終的にはスウェーデン王が統治する同君連合に落ち着きました。

ですが、その後はノルウェーは海運を発展させていき、19世紀後半には世界有数の商船国になっていきました。

近代 ノルウェー

デンマーク

デンマークは19世紀半ばに、シュレスヴィヒ・ホルシュタインをめぐってドイツ連邦(のちのプロイセン)との戦争になり(デンマーク戦争)、敗れたことでシュレスヴィヒ・ホルシュタインを失ってしまいます。

しかし、デンマークはここから立て直しを図ります。

農業・牧畜を中心とした経済基盤を整えていき、イギリス向けの農産物の輸出で安定して成長していきました。

グシャケン
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デンマークの乳製品はイギリスで人気商品になり、当時の新聞広告にも登場するほどで、「バターの国」としてのイメージができていったそうですよ。

近代 デンマーク

SQ:19世紀の北欧諸国が中立的を選んだ背景とは?

グシャケン
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ではここで、19世紀の北欧諸国が中立を選んだ背景をまとめておきましょう。

19世紀の北欧は、かつての「北の強国」スウェーデンがロシアの台頭によって国際的地位を低下させ、デンマークもシュレスヴィヒ=ホルシュタインを戦争で失うなど、軍事的に列強と競う力を失っていきました。

その一方で、

・スウェーデン・・・立憲制の確立と鉄鋼業の発展

・ノルウェー・・・海運の成長

・デンマーク・・・農業輸出の成功

など、内政と経済の整備によって安定を得ていきました。

こうした状況から、北欧諸国は列強の勢力争いに巻き込まれるよりも、中立を維持して自国の政治的安定と経済発展を優先する方が合理的だと判断したというわけなんです。

SQ:19世紀の北欧諸国が中立的を選んだ背景とは?

列強に対する軍事的衰退や敗戦などで列強と競う力を失い、国内の政治改革や経済発展を優先するために、列強の対立に巻き込まれない中立政策が最も現実的な選択だったため。

19世紀の北欧諸国が中立的を選んだ背景とは?
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スイス

スイス「永世中立国」として知られますが、19世紀前半は決して平穏ではありませんでした。

各州で自由主義改革が進むと、これに反対する保守派が宗派対立と結びついて、1840年代半ばには一部のカトリック系の州が連邦からの分離を計画して、そこから内戦が起こってしまいます。

グシャケン
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この内戦は、1848年革命に影響を与えたとも言われているんですよ。

内戦の結果、分離派が敗北して、新しい憲法が制定されて、連邦国家が成立することになりました。

この体制は基本的には現在まで維持されていて、国民投票を重視する「直接民主主義」に近い政治制度が続いています。

グシャケン
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ちなみに、スイスでは国民投票の回数が非常に多く、 「国民投票の通知がポストに届くと、住民が『またか…』とため息をつく」 というエピソードがあるほどなんです。 民主主義を徹底すると、こういう日常風景になるんですね。

近代 スイス
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オランダ、ベルギー

オランダベルギーは、19世紀を通じて通商国家としての地位を維持していました。

両国とも植民地を持っていて、特にオランダは東南アジアの植民地経営で大きな利益を得ていました。

政治的には内政重視で、外交では中立的・不介入の姿勢が強かったことが特徴です。

ベルギー1830年に独立した後、列強によって「永世中立国」とされたので、ヨーロッパの緊張から距離を置く形で国家運営を進めていきました。

ベルギー西ヨーロッパの交通の中心という地理的条件と、豊富に採れた石炭・鉄鉱石という資源によって、鉄鋼業や繊維業が発展して、産業革命期のヨーロッパで重要な工業国となっていきました。

グシャケン
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なので、「ヨーロッパの工場」と呼ばれたこともあり、国際政治では静かでも、経済面では存在感を持っていたんですよ。

近代 オランダ ベルギー
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スペイン・ポルトガル

スペインポルトガルは、農業を中心とした経済基盤を維持しつつ、19世紀前半までは広大な植民地を保有していました。

ですが、ラテンアメリカの独立運動によって植民地の多くを失い国際的な影響力は大きく低下してしまいます。

それから両国は、内政重視の姿勢をとって、外交では中立的な立場をとるようになっていきました。

グシャケン
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列強の激しい対立から距離を置くことで、国内の安定を優先したわけです。

スペイン ポルトガル
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非列強国の共通点

ここまで見てきたように、非列強国にはいくつかの共通点があります。

立憲制や議会政治の確立による国内の安定

国際政治で列強の争いから距離を置く中立的な姿勢

北欧諸国は特にこの傾向が強くて、 「列強の争いに巻き込まれないことこそが国益」 という考え方が外交の基本になっていました。

スイスは永世中立国としてその姿勢を制度化し、オランダ・ベルギー・スペイン・ポルトガルも内政重視国際政治への積極的な介入を避けるようになっていきました。

グシャケン
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中立的な立場は決して弱さではなく、限られた国力を最大限に活かすための戦略的な選択だったんです。

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まとめ

MQ:19世紀のヨーロッパで、列強以外の国々はどのように国内の安定を築いたのか?

A:軍事的競争を避けて中立的外交をとり、立憲制の整備や産業・農業の発展など内政と経済に国家資源を集中させることで、国内の安定を築いた。

グシャケン
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今回はこのような内容でした。

次回は、国際運動の進展についてみていきます。この運動の進展にはどんな背景があったんでしょうか?

それでは次回もお楽しみに!

「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。」by ビスマルク

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