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はじめに

前回はこのような内容でした。


今回からはフランス革命についてです。フランス革命以前にどんな社会変化が起きていたんでしょうか?
それでは一緒にみていきましょう!
MQ:フランス革命以前にどんな社会変化が起きていたのか?
旧体制(アンシャン=レジーム)
ブルボン朝が治めるフランスは、ルイ14世の時代から、ヨーロッパを代表する絶対王政の国家として君臨していました。
しかし、その中身は決して「国王のワンマンチーム」ではなかったんです。
それが大きな3つの「身分」に分かれていた、「旧体制(アンシャン=レジーム)」と呼ばれる体制でした。

フランス革命後にこう呼ばれたので「旧体制」なんです。
第一身分:聖職者(約12万人、人口の0.5%)
カトリック教会の聖職者で構成され、免税などの特権を持つ階級。
高位聖職者は封建領主でもあったが、下級聖職者(司祭)には平民出身者も多かった。
第二身分:貴族(約40万人、人口の1.5%)
主に貴族によって構成され、第一身分(聖職者)と並ぶ特権階級。
封建領主として農民から地代を徴収し、免税などの特権あり。
・宮廷貴族:古くから王に仕え、ヴェルサイユ宮殿などで暮らし、年金を受け取る
・地方貴族:地方に領地を持ち、農奴を使役して封建的な支配を維持
・法服貴族:裕福な市民から成り上がり、官職を購入して官僚となった新興貴族
第三身分:平民(約2500万人、人口の98%)
商工業者・都市民衆・農民など、人口の大多数を占める。
・農民層:少数の裕福農民(13%)と、土地を持たない小作人や貧しい農民(65%)が多く、封建的な地代や労役に苦しむ
・市民層(都市住民):富裕なブルジョワ(10%)(商工業ブルジョアジー)と下層市民(10%)


SQ:なぜ人口の大多数を占める第三身分が、政治的にも経済的にも不利な立場に置かれていたのか?
このように、18世紀のフランス社会は厳しく「身分」によって分けられた体制のもとで統治されていました。
第一身分(聖職者)と第二身分(貴族)は、合わせても人口のわずか2%に過ぎませんでしたが、広大な領地(30~40%)や重要な官職を独占し、税金の免除など多くの特権を持っていました。

しかし、この特権階級の内部にも格差があって、高位聖職者や宮廷貴族は裕福で権力を握っていた一方で、地方の小貴族や下級聖職者は経済的に困っている人も少なくなかったそうですよ。
一方、人口の約9割以上を占める第三身分は、農民や都市の労働者、小商人、職人、知識人など多様な層から成り立っていましたが、決して一枚岩ではありませんでした。

第三身分の人たちは、国家財政を支える税金の大部分を負担していたにも関わらず、政治的な発言権や官職などの要職が制限されていました。
なので、商人や銀行家といった大ブルジョワジー(第3身分の大富豪)と呼ばれる人たちの中には、貴族から土地や官職をお金で買い取って、「新貴族」として特権階級に加わろうとする人もいました。
しかし、弁護士や医師、教師などの比較的小規模なブルジョワジーにとっては、そこそこ知的で裕福でもありながら、身分制度が邪魔でそれ以上の身分に上がることができなかったんです。
なので、こうしたブルジョワジーたちが「身分」によって不利な立場に立たされたことで、「旧体制」に対して不満を持つようになっていきました。
「旧制度(アンシャン=レジーム)」のもとで社会が身分によって厳しく分けられ、第三身分は、税負担の大部分を担いながらも、政治的発言権や官職への道が閉ざされていたため、経済的・政治的に不利な立場に置かれていた。


社会変化
王権の強化と「能力主義」の芽生え
こうした「旧体制」の伝統的な社会から「変わるきっかけ」になったのが、ブルボン朝の国王による中央集権化の動きでした。
彼らは地方の貴族の権限を削って、能力に基づいて官職を任命する官僚制度を整備しました。

主にリシュリューの改革によって、「絶対王政」の基礎ができていきましたよね。
これによって、「出身」ではなく「能力」や「実績」によって地位が決まるという新しい「能力主義」が芽生え始めたんです。
この変化によって、第三身分から「出世できるかもしれない」という可能性が出てきたことで、それまで官職を独占していた第一身分と第二身分との対立を深める要因になっていくことになりました。

「世論」の登場と社会思想の広がり
18世紀の都市部では、こうした「旧体制」の中で、啓蒙思想などの新しい思想も広がりました。
新聞や雑誌、カフェといった情報を共有する場ができたことで、政治や社会問題について議論する「世論」が形成されていきました。
この世論の担い手となったのが、第三身分のブルジョワジーでした。
このようにして、彼らは身分制や特権階級、さらに国王や国家に対しても批判的な意見を持つようになり、「社会を変えるべき」という世論が盛り上がっていくことになりました。

啓蒙思想は「理性(考える力)」で世界を理解しとうとする思想だったので、伝統的な「旧体制」の第三身分のブルジョワジーとは相性が良かったんです。

財政赤字
改革の試み
こうした社会の変化が起きつつあった時、フランス王朝は深刻な財政赤字に直面していました。
イギリスとの覇権争いやアメリカ独立戦争への参戦などで、莫大な戦費を消費してしまったことで、国家財政は破綻寸前にまで追い込まれていたんです。

1788年には、国家歳出の半分が負債(借金)の返済に充てられるという異常事態が起こっていました。
この財政赤字の危機に対して、当時の国王ルイ16世は改革に乗り出します。


テュルゴー
ルイ16世は啓蒙思想家でもあったテュルゴーを財務総監に任命して、改革に乗り出します。
主な施策は以下の通りです。
・宮廷費の削減
・不公平な徴税制度の見直し
・経済への国家介入を抑える「経済の自由化」政策
しかし、これらの改革は既得権益を持つ特権階級(第一身分・第二身分)からの強い反発を受けてしまい、テュルゴーはわずか2年で失脚してしまいました。

要するに、第1身分や第2身分の特権階級がおいしい思いをする仕組みだったので、そこから反発を受けたんです。そりゃ失敗しますよね。

ネッケル
テュルゴーの失脚後、後任として財務総監に任命されたのが、スイス出身の銀行家だったネッケルという人物でした。

ネッケルがおこなった改革は以下の通りです。
・アメリカ独立戦争への援助を増税ではなく借入で対応
・フランス史上初めて国家予算を『国王への報告書』として公表
・特権身分への課税や三部会の議員配分の見直しを提案
アメリカ独立戦争の援助費を借入にしたことは国民から支持を受けましたが、国民に目に見える形で国家予算を公表したことについては、貴族への莫大な手当が明るみに出てしまったことで宮廷は国民から批判されることになりました。

いわゆる「宮廷貴族たちの裏金」っていう感じですかね。そりゃ国民からしたら感じ悪いですよね。
そこから宮廷内の貴族からネッケルに対して反発が起きてしまい、結果、ネッケルは辞任することになりました。

その後も財務総監たちは国債の発行などで財政をしのごうとしましたが、根本的な解決には至らず、ついに1789年、ネッケルの再罷免をきっかけに民衆が蜂起。フランス革命が幕を開けることになります。

各身分からの不満
その後も財政改革が起こなわれましたが、それらはどれも第一身分と第二身分の免税などの特権を否定するものでした。
なので、特権階級から猛反発に合い、特権階級は次第に改革を進めようとする国王に対して不満を持つようになっていきました。

そして、第三身分の農民や都市民衆の中でも変化が起きていました。
干ばつによる凶作が続いたことと、イギリスから安価な工業製品が入ってきたことによって、国内産業の衰退が重なってしまったんです。
これによって農民の収入は減り、職人は失業し、食料価格の高騰が都市の職人や労働者の生活に直撃して、民衆の生活は極限まで追い詰められていきました。
なかには、

これは特権階級(第一、第二身分)の陰謀だ!
という、うわさまで飛び交い、第三身分の中で社会不安が広がっていきました。

こうした改革の試みや社会不安が重なったことで、各身分は国家に対して不満と不安を抱えるようになっていきました。
・第一身分、第二身分
特権の喪失と王権の中央集権化に対する不満。
・第三身分
ブルジョワジー・・・社会的地位の上昇の道が閉ざされていることへの不満。
農民や都市民衆・・・生活苦と社会的不平等への怒り。

これらの不満が複雑に絡み合っていき、やがてフランス革命という「爆発」へとつながっていくことになります。

まとめ
MQ:フランス革命以前にどんな社会変化が起きていたのか?
A:「旧体制」下での身分不平等、啓蒙思想の広がり、財政危機と改革の失敗、そして民衆の生活苦が重なり、社会変革への機運が高まっていった。

今回はこのような内容でした。

次回は、フランス革命の勃発についてみていきます。フランス革命は何をきっかけに始まったんでしょうか?
それでは次回もお楽しみに!
「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。」by ビスマルク
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