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[4-2.11]ギリシア文化①(文学)

4-2.ギリシア文明

世界史を手軽に学びたい方に向けて授業形式でブログ記事を書いています。復習や予習の際に使いやすい内容になっています。「問い」の設定や記事の最後には使用したパワポもダウンロードできます!それではスタンダード世界史探究をどうぞ!※あくまで1例なので、「MQ」や「SQ」、スライド等は自由にアレンジしてください。

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はじめに

グシャケン
グシャケン

前回はこのような内容でした。

グシャケン
グシャケン

今回はギリシア文化の中でも「文学」について焦点を絞ってみていきたいと思います。

それでは一緒にみていきましょう!

MQ:ギリシア文学の特徴とは?

今回の時代はギリシア文明全体を指すので、いつもの年表は割愛させていただきます。

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宗教と神話

オリンポス12神

ギリシア人が信仰していた宗教は多神教でした。

その点ではオリエントと共通していましたが、ギリシアの神々は人間と同じ姿と感情を持っていて、時に嫉妬や悪行をしてしまうなど、人間らしさがあるのが特徴でした。

特にオリンポス12神が信仰されて、さまざまな人間模様が神話では描かれています。

オリエントでは宗教をつかさどる神官が政治にも介入するなど、絶大な権力を持っていました。

しかし、ギリシアでは教義や教典もなく、神官には政治を動かすほどの力はなかったとされています。

そんな宗教ですが、オリンピアとデルフォイはポリスに関係なく、全ギリシア人によって聖域とされていました。

オリンポス12神 ギリシア神話

神話(叙事詩)

ギリシア神話には教典などがないため、そのほとんどが文学(叙事詩)によって伝えられています。

叙事詩(じょじし)・・・歴史上の出来事や人物、神話や伝説などを題材にした長大な著書

ホメロス

前8世紀に活躍したホメロスは、トロイヤ戦争のいきさつを描いたイリアス』と『オデュッセイア』という長文の詩を歌いました。

この詩はギリシア人の教養と道徳の基礎として愛読されていました。

ヘシオドス

前7世紀に活躍したヘシオドスは、『神統記』でそれまで複雑だったりバラバラだったギリシアの神々を整理して、オリンポスの神々への信仰を確立させました。

『労働と日々』では貴族政を批判して労働の大切さが説かれていて、実用的な農業マニュアルとしても使用されました。

ギリシア神話と呼ばれる大部分は、これら2人の叙事詩が元となっているそうです。

叙事詩 ホメロス ヘシオドス
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悲劇と喜劇

文学の中心地アテネ

前5世紀以降は文化の中心地がアテネへと移ってきます。

SQ:なぜアテネが文化の中心地になったのか?

グシャケン
グシャケン

アテネではどんな制度が発展していましたか?

民主政です!

グシャケン
グシャケン

そうでしたね。民主政は市民が自由に議論できることが前提です。なのでそこには言論の自由表現の自由がありました。

SQ:なぜアテネが文化の中心地になったのか?

言論の自由や表現の自由が保障されている民主政が確立されていたため。

なので文学作品も貴族向けではなく、平民向けの作品が作られていました。

特に祭典では喜劇や悲劇のコンテストが開催されて、これを観ることはアテネ市民の楽しみだけでなく義務となっていたほどです。

貧しい市民も鑑賞できるように観劇手当が支給されて入場料が払える仕組み等もありました。

文化の中心地アテネ
ギリシアの劇場 ペロポネソス半島のエピダウロスにある前4世紀の大劇場 資料;『詳説世界史探究』山川出版社

悲劇

アテネでは特に「三大悲劇詩人」と呼ばれる3人がいました。

いずれも国家や個人についてや、人生の宿命や悲劇をテーマとして作品を残しています。

アイスキュロス
アイスキュロス

アイスキュロスギリシア悲劇を創り出した最初の人物で、ペルシア戦争のマラトンの戦いにも重装歩兵として参加した経歴を持っています。

この作品はギリシア神話を題材にしていて、親族殺しという憎しみの連鎖に苦しむ人々を描いています。

主に活躍したのはアテネのペリクレスの時代でした。

ソフォクレス
ソフォクレス

ソフォクレスは、さきほどのアイスキュロスよりも一世代若く、悲劇の形成を完成させた人物だといわれています。

作品はいずれも神話を題材にしていて、人間の残酷な運命を歌っています。

詩人以外にもアテネ市民に人気があり、将軍職の一人に選出されたりしていました。

エウリピデス
エウリピデス

エウリピデスはソフォクレスよりも若い世代で、悲劇に新思想や形式を導入しようとしたクリエイティブな人物でした。

古い伝統にとらわれない世の中の様子を写し出した台詞を取り入れるような作風でした。

ソフォクレスほど民衆からの人気はなかったそうですが、、、

喜劇

アリストファネス
アリストファネス

アリストファネスは前5世紀から前4世紀初めまでアテネで活躍した喜劇作者でした。

その作品は、市民の政治への無知さやデマゴーグ(扇動政治家)の傲慢(ごうまん)を笑い飛ばし、ペロポネソス戦争へと国を導いた指導者たちを痛烈に批判している作品を残しています。

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その他

サッフォーは前7世紀に活躍した女性詩人で、恋愛模様を描いた詩は人物や性別に対する愛が描かれています。

グシャケン
グシャケン

後に彼女の出身地であるレスボス島から女性の同性愛者を指す「レズビアン」という言葉がうまれたんですよ。

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まとめ

MQ:ギリシア文学の特徴とは?

A:叙事詩ではギリシアの神々を題材としているものが多く、ギリシア神話の源流となっている。悲劇や喜劇では、人物や政治に焦点を当てている作品が多く、観劇を通して当時の社会問題や政治問題を伝えようとしている。

グシャケン
グシャケン

今回はこのような内容でした。

次回は、ギリシア文化②で「哲学と自然科学」を見ていきたいとおもいます。文学とは対照的にギリシア人は「この世の真理」を合理的に求めようとしていました。

それでは次回もお楽しみに!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。」by ビスマルク

この記事で使用した授業スライドのダウンロードはこちら↓

グシャケン
グシャケン

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主な参考文献

『世界史の窓』世界史の窓 (y-history.net)

・木村 靖二 ・岸本 美緒 ・小松 久男・橋場 弦(2022)、『詳説世界史探究』、山川出版社

・木村 靖二 ・岸本 美緒 ・小松 久男(2017) 、『詳説世界史研究』、山川出版社

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