世界史を手軽に学びたい方に向けて授業形式でブログ記事を書いています。復習や予習の際に使いやすい内容になっています。「問い」の設定や記事の最後にはパワーポイントもダウンロードできます!それではスタンダード世界史探究をどうぞ!※あくまで1例なので、「MQ」や「SQ」、スライド等は自由にアレンジしてください。
はじめに
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前回のエジプト王朝はこのような流れでした!
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![グシャケン](http://gusyakensekaishitankyu.com/wp-content/uploads/2022/12/cropped-OIG2-150x150.jpg)
今回はエジプトの神々と文化についてです。
エジプト神話に出てくるような神々は日本の人気アニメでも登場するほど人気が高く、種類も豊富です。
文化では特に後のギリシア文明に与えた影響が大きく、みなさんも数学で習った”あの公式”も実はエジプトで基礎が作られたといわれています。
それでは見ていきましょう!
MQ:古代エジプト文化がのちの文明に与えた影響とは?
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宗教
多神教
「エジプトはナイルの賜物」といわれるほどナイル川の恩恵をうけていました。
なので、ナイル川付近の豊かな自然環境は、人々が自然現象や動植物に霊魂があると信じるようになり、小国家ごとに崇拝する多神教が発展しました。
その中心となっていたのが太陽神ラーです。
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ファラオはこのラーの化身とされ、ピラミッドはそのラーを祀る祭殿だったという説まであるんです。
太陽神ラーに対して、人間の死後の世界である冥界(めいかい)を支配していたのがオシリス神でした。
他にも王権を司るホルス神なども信仰を集めました。
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新王国時代に入ると、首都テーベの守護神アモンと太陽神ラーが結びついたアモン=ラーの信仰も盛んになりました。
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他にも冥界の案内役アヌビス神や知識をつかさどるトト神など、数百の神々がいるとされています。
それぞれの神について調べて見ると面白そうですね。
ミイラと「死者の書」
エジプト人は死んだ後、霊魂の不滅を信じていました。要は魂だけ冥界(死後の世界)に行くわけなのですが・・・
![誰かの霊魂](http://gusyakensekaishitankyu.com/wp-content/uploads/2023/02/IMG_0356-150x150.jpeg)
ようやく私にも来世での復活の時がきたか。
![誰かの霊魂](http://gusyakensekaishitankyu.com/wp-content/uploads/2023/02/IMG_0355-150x150.jpeg)
あれ!?宿る体がない!これじゃ復活できないじゃないか!
ということで、エジプト人たちは来世での復活のために遺体が腐らないようにしたんですね。
みなさんもうおわかりですよね?
この古代エジプト独自の埋葬処理の方法はミイラにすることでした。
ミイラ・・・脳と内臓を摘出した遺体を洗浄して亜麻布の包帯で全身を包んだもの
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何か夢にでてきそうですね(笑)
ミイラの製造法に関してはサイト「世界史の窓」で詳しく解説されているので、ご参照してください。
そして、死後は霊魂となって冥界の神オシリスから最後の審判を授かります。
ですが、オシリスの最後の審判は当然ですが死んで初めて行けるところです。なので冥界でもスムーズに儀式を進められるようミイラと共に、”冥界のガイドブック”も棺に入れられました。
それが「死者の書」です。生前の良い行いや来世の復活のための呪文が記されていました。
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まず冥界に着くと頭が犬のアヌビス神が案内してくれます。
そして自分の心臓を天秤(てんびん)にかけます。片方には世界一軽いとされる真実の羽が乗っており、生前の行いによって心臓と羽根が釣り合えば天国に行けます。
逆に心臓の方が重くて傾くと・・・そこはお察ししますね。笑
審判を終えてパスできた者だけがオシリス神に会って挨拶することができます。
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このように「死者の書」からエジプトの宗教観や死生観を読み取ることができますね。
文字
エジプトでは初期の頃から絵文字が発達した象形文字が使われていました。
エジプト文字には大きく分けて3種類に段階が分かれています。
①神聖文字(ヒエログリフ)・・・碑文(ひぶん)や墓室・石棺(せっかん)などに刻まれた文字
②神官文字(ヒエラティック)・・・神聖文字を簡単にし、公文書などに使われた文字
③民用文字(デモティック)・・・最も簡略化された日常で使われる文字
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②神官文字と③民用文字に関しては、パピルスという紙にインクを使って書かれました。
パピルス紙・・・カヤツリ草の一種であるパピルス草の髄(ずい)を薄く切り、縦横に重ねて乾燥させた紙
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パピルス紙はエジプトのギザでお土産としても販売されているので、行った際はぜひ買ってみてください!
ちなみに紙は英語で何といいますか?
そうですね、“paper(ペーパー)“ですよね。この単語の語源は古代エジプトのこのパピルス(papyrus)からきているんです!
パピルス紙は湿気には弱いですが、乾燥には非常に強く、数千年前のパピルス文書が現在も発見されるほどです。エジプトの乾燥帯だからこそですね。笑
エジプト文字は長い間忘れ去られ、約200年前(19世紀)まで読めない状態が続いていたんです。
しかし、解読の手がかりとなるものが発見されます!
それがロゼッタ=ストーンです。
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この石板には上段に「神聖文字」、中段に「民用文字」、下段には「ギリシア文字」が刻まれていました。
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この下段のギリシア文字をもとに解読に成功したのが、フランス人のシャンポリオンです。
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シャンポリオンは神聖文字が、1文字で意味のある「表意文字」という思い込みを捨て、記号を組み合わせて意味を表す「表音文字」であると仮定したことで解読に成功しました。
現在、ロゼッタ=ストーンはイギリスの大英博物館に展示されているので、ぜひ行ったら見てみてください!
暦法と測地術
暦法
SQ:1年はなぜ365日なのか?
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なんで1年は365日なの?
![グシャケン](http://gusyakensekaishitankyu.com/wp-content/uploads/2022/12/cropped-OIG2-150x150.jpg)
たしかに中途半端ですね。もっと500とかキリの良い数字だとわかりやすいんですが(笑)
よくよく考えればみなさんも同じことを思うでしょう。なぜ「365」なのかと。
これも古代エジプト人たちが生き残るための知恵からできたものなんです。
エジプト文明は、ナイル川が運んでくる栄養満点の土による灌漑農業で成り立っていました。
経済の基盤は言わずもがな農業です。
なので、ナイル川の氾濫時期を予知し農作業を季節に応じておこなうため、星占術や暦法が発達しました。
これはメソポタミアでも同じでしたね。これも一種の歴史法則です。
そしてあるとき・・・
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シリウス星が日の出の太陽の真上を通過するタイミングで氾濫がおきることに気づいたのです!
そして何とこれが再びおこるまでの日数が・・・365日だったんです!これを1周として1年と定めました。
これは太陽暦と呼ばれ、のちにみなさんが使っているカレンダーと同じ暦法になったんですね!
「1年365日」はナイル川が再び氾濫するまでの周期だったため。
生きるための知恵でできたものだったんですね~。
測地術
そしてエジプトでは同時に数学も発展しました。
SQ:なぜエジプトでは数学が発展したのか?
これもナイル川の氾濫と農業が大きく関係しているんです。
ひとたび氾濫がおきると流れによって新しい土が覆いかぶさり、誰の農地がどこまでなのかわからなくなってしまいます。
なので、農地を正確に元通りにする必要がありました。
エジプトでは氾濫後の農地を再現するために土地をはかる測地術が研究されたため、そこで使われる数学が大きく発展することとなった。
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のちにギリシア文明で幾何学(図形や空間の数学)が大成されますが、その基礎は古代エジプト人の測地術だといわれています。
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ギリシアで定義されたこの公式も古代エジプトですでに実用されていました。エジプト人すごいですね(笑)
こうした知識をもとに農地の測地だけでなく、スフィンクスやオベリスクなど建築でも応用され、のちのクレタ文明やギリシア文明の建築の規範となりました。
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よっエジプト先生!参考にさせていただきます!て感じですね。(笑)
まとめ
MQ:古代エジプト文化がのちの文明に与えた影響とは?
A:灌漑農業を管理するために占星術や測地術が発展したことで、それを基礎に後に大成される暦法や幾何学、建築法に影響を与えた。
今回はこのような内容でした。
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みなさんが知っている文化以外にも、様々なものが私たちの生活に影響していましたね。
それらは全てエジプト人たちが富を増やすための知恵でもありました。
次回は今まで見てきたメソポタミアとエジプトに挟まれた「シリア・パレスチナ」をみていきます。
大文明に挟まれた地域だからこその特徴が見えてきます。また一緒に頑張ってみていきましょう!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。」by ビスマルク
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