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エウリピデスの『メデイヤ』

史料集
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概要

『メデイヤ』は、古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人であるエウリピデスによるギリシア悲劇です。

この作品は、ギリシア神話に登場するコルキス王女メデイヤの晩年におこったとされるコリントスでの逸話を劇化したものです。

歴史的背景

『メデイヤ』は紀元前431年に、アテネのディオニュソス祭で初めて公開されました。

その後、1世紀のローマで、この作品に着想を得てセネカが同名の戯曲を書くなど、現代にいたるまで、文学、演劇に影響をあたえ続けた作品となりました。

文化的背景

エウリピデスの作品は、古代ギリシアの文化や人間の内面を深く掘り下げ、現代にも通じるテーマを描いています。

『メデイヤ』は、家父長制社会において女性であることの苦難を同情的に描いた作品であるため、フェミニスト的な傾向を持つ非常に劇作であると広く考えられています。

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主な登場人物

メデイヤ・・・主人公で、コルキスの王女

イアソン・・・メディアの夫

子どもたち・・・メディアとイアソンとの間に生まれた二人の息子

クレオン・・・コリントス王

アイゲウス・・・アテネ王

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著書の内容

コルキスの王女メディアは夫イアソンと共に互いの故郷を捨て、コリントスで暮らしていました。

しかし、コリントス王クレオンが自分の娘婿にイアソンを望み、権力と財産に惹かれたイアソンは妻と子どもたちを捨て、この縁組みを承諾します。

怒りと悲しみに暮れるメディアの元に、クレオンから国外追放の命令が出ます。

メディアはイアソンとクレオン父娘への復讐を決意し、アテナイ王アイゲウスを口説き落として追放後の擁護を約束させます。

メディアは猛毒を仕込んだ贈り物をクレオンの娘の元に届けさせ、王と王女を殺害します。

更には苦悩と逡巡の果てに、自身の幼い息子二人をも手にかけます。

すべてを失って嘆き悲しむイアソンを尻目に、メディアは息子たちの死体を抱き、竜車に乗って去っていきます。

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まとめ

『メデイヤ』は、エウリピデスが描いたギリシア悲劇の中でも特に印象的な作品の一つです。

この作品は、愛情、裏切り、復讐といったテーマを通じて、人間の感情の深さと複雑さを描き出しています。

また、女性の視点から描かれたこの物語は、家父長制社会における女性の立場と苦難を鮮やかに描き出しています。

そのため、この作品は現代の観客にも共感を呼び、多くの人々に読まれ続けています。

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