概要
『イリアス』は、古代ギリシアの詩人ホメロスによって書かれたギリシア叙事詩です。
この作品が作られたのは紀元前8世紀頃といわれています。
『イリアス』はその後、紀元前6世紀後半のアテナイにおいて文字化され、紀元前2世紀にアレキサンドリアにおいて、ほぼ今日の形にまとめられたとされているんです。
主な登場人物
・アキレス:『イリアス』の主人公であり、トロイア戦争最強の英雄。
・アガメムノン:ギリシア側の総大将で欲張りな性格。
・オデュッセウス:ギリシア軍の知将とされる人物。
・パリス:トロイア戦争を起こした張本人となった人物。
・ヘクトル:トロイア側の総大将。アキレスとの決闘で敗れる。
物語の流れ
『イリアス』の物語は、10年間に及ぶトロイア戦争の10年目の約50日間を描いています。
以下にその詳細な流れを説明します。
●アキレウスの怒り
ギリシア軍の総大将アガメムノンは、捕虜のクリューセーイスという女性を気に入り、自分の側においていました。
しかし、彼女の父である神官クリューセースが彼女を取り戻すためにアポロンに祈り、アポロンがギリシア軍に疫病を送り込みます。
これにより、アガメムノンはクリューセーイスを返すことを余儀なくされ、その代わりにアキレスの戦利品であるブリーセーイスを奪います。これに怒ったアキレスは戦線を離脱してしまいます。
●パトロクロスの死
アキレスが戦線を離脱したことで、ギリシア軍は劣勢に立たされます。
なのでアキレスの親友パトロクロスは、アキレウスの鎧を身につけて戦場に出ますが、トロイアの英雄ヘクトルに討たれてしまいます。
●ヘクトルの死
パトロクロスの死に激怒したアキレスは戦場に戻り、ヘクトルと決闘をして見事に倒してしまいます。
●パトロクロスとヘクトールの葬儀
アキレスはパトロクロスの葬儀を行い、その後、ヘクトルの遺体をトロイアの王プリアモスに返します。
ちなみに『イリアス』はトロイア戦争の全体像を描いているわけではなく、特に有名な「トロイの木馬」のエピソードは含まれていません。
これらのエピソードは、ホメロスのもう一つの叙事詩『オデュッセイア』や、他の古代の文献に記録されています。
文化的影響
『イリアス』は、古代ギリシア文明の中でも特に重要な作品であり、その影響は非常に大きいです。
この独特な祭式がギリシア人たちの意識の中で、ずっと以前に消滅した輝かしいミケーネ時代とその後急激に衰退した暗黒時代との間の大きなギャップを乗り越えて、ギリシア人としての一貫性と意識を保証する役割を果たしたとされています。
まとめ
『イリアス』は、古代ギリシアの詩人ホメロスによって作られ、その後数世紀にわたって伝えられ、現代に至るまで読み継がれてきた叙事詩です。
その物語は、英雄アキレスを中心としたトロイア戦争終盤に起こった出来事を描いています。
この作品は、古代ギリシアの文化、社会、宗教に深い影響を与え、西洋文化全体にもその影響を及ぼしました。
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