[3-2.2]インド古典文化の黄金期

3-2.インド古典文化とヒンドゥー教

世界史を手軽に学びたい方に向けて授業形式でブログ記事を書いています。このブログから世界史を深めてくれると嬉しいです。「問い」の設定や記事の最後にはパワーポイントもダウンロードできます!それではスタンダード世界史探究をどうぞ!

※1記事で教科書0.5~1ページほどの文量です。実際の授業は記事複数分に相当すると思いますので、MQ、SQの設定などは各自で自由にアレンジしてください。

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はじめに

グシャケン
グシャケン

前回はこのような内容でした。

グシャケン
グシャケン

今回はインド古典文化が黄金期を向かえます。グプタ朝のもとで宗教や文化はどのように発展していったのか?

それらを一緒にみていきましょう!

MQ:インド古典文化の黄金期に宗教や文化はどのように発展したのか?

今回の時代はここ!

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サンスクリット文学

約500年もの分裂期が続いたのち、4世紀にグプタ朝が北インドを統一しました。

そのグプタ朝のもとで、今まで権威が落ち込んでいたバラモンが見直されて復権します。

そのバラモンが使っていたサンスクリットが公用語になり、サンスクリット文学が花開きます。

グプタ朝サンスクリットについては[3-2.1]グプタ朝とヒンドゥー教をご覧ください。

マヌ法典

前2世紀〜後2世紀ごろにかけて成立したマヌ法典は、4つのヴァルナがそれぞれ守るべき規範が規定されていて、特にバラモンの特権的地位が強調されています。

この法典は単に法律だけではなく、ヒンドゥー教や道徳の規範も記されていて、婚姻や財産相続の詳細もヴァルナ制(カースト制)に基づいて規定されています。

ヴァルナ制やカースト制については[1-3.2]アーリア人の進入とカースト制をご覧ください。

マヌ法典

二大叙事詩

叙事詩・・・神話・伝説・英雄の功業などの長文物語

『マハーバーラタ』

この『マハーバーラタ』の「マハー」は”偉大な”という意味で、「バーラタ」は作中に出てくる”バーラタ国”を指しています。

簡単にいうと

マハーバーラタ = 偉大なバーラタ国(の物語)

という意味になりますね。

物語の概要

後期ヴェーダ時代にバーラタ族とクル族の二大部族の戦争を中心に進んでいきます。

そこで、バーラタ族の王子バラモンのクリシュナという人物との対話を通して、自分の内面や戦争への葛藤に向き合っていく姿が描かれています。

もう少し詳細な内容については『マハーバーラタ』をご覧ください。

作中にはシヴァ神ヴィシュヌ神などのヒンドゥー教の神々が登場します。

そしてクリシュナという重要人物も実はヴィシュヌ神の化身であり、主人公の王子に哲学を授けて活躍しています。

つまりこの物語を通じて、ヒンドゥー教の道徳や哲学が読者に伝わるような内容になっているんです。

ヴェーダ時代については[1-3.2]アーリア人の進入とカースト制

シヴァ神やヴィシュヌ神については[3-2.1]グプタ朝とヒンドゥー教をご覧ください。

マハーバーラタ
グシャケン
グシャケン

ちなみに作中に登場する「バーラタ国」はインドの正式な国名として使用されているんです。

それだけ、インド人(特にヒンドゥー教徒)には影響力のある叙事詩なんですね。

『ラーマーヤナ』

二大叙事詩の2つ目は『ラーマーヤナ』です。

こちらもインドのヒンドゥー教や文学に大きな影響を与えた作品となっています。

物語の概要

北インドのコーサラ国が舞台で、王子であるラーマは王位継承の地位を追われて、妃であるシーター弟ラクシュマナとともに都を去っていきます。

そこに魔王ラーヴィナが現れ、シーターをさらってランカー(セイロン島)の居城に連れ去ってしまいます。

ラーマはシーター捜索の途中、猿の王の助けをかりてシーターの居場所をつかみます。

そして最後は猿の勇将ハヌマットなどの活躍によって魔軍を破り、シーターを救出して都に凱旋していくという内容になっています。

もう少し詳細な内容については『ラーマーヤナ』をご覧ください。

この物語はラーマ王子の運命を描いた勧善懲悪(かんぜんちょうあく)の英雄物語になっていて、インド人の心をつかみ人気となりました。

勧善懲悪・・・善(正義)をすすめ,悪をこらしめること。

ヒーロー(英雄)ものに人気が出るのはいつの時代も一緒ですね。(笑)

しかもこのラーマ王子もヴィシュヌ神の化身とされていたので、物語を通してヒンドゥー教の倫理観を伝える内容になっています。

ラーマーヤナ

●日本の世界的ゲームと似ている!?

この『ラーマーヤナ』は日本発の世界的人気を誇るゲームのストーリーと似ているです。

上の物語の概要を読んで、みなさんは何のゲームかわかりましたか?

ヒントは任天堂が発売しているシリーズものです。

答えは「スーパーマリオブラザーズ」です。

「スーパーマリオブラザーズ」のシトーリーはマリオとルイージ兄弟がクッパにさらわれたピーチ姫を取り戻しにいくという内容です。

なんだか、なんとなくですが『ラーマーヤナ』と似ているところがありますね。もしかしたら影響を受けたのかもしれませんね。

『ラーマーヤナ』とスーパーマリオブラザーズ

※これについてはYouTuberが解説している動画もありますが、根拠はありませんので、あくまでグシャケンの個人的見解として受け取ってください。

『シャクンタラー』

シャクンタラー』はグプタ朝の宮廷詩人であったカーリダーサによって書かれた戯曲(ぎきょく)で、サンスクリット文学の傑作ともいわれています。

戯曲・・・演劇における脚本や台本のこと。またその形式で書かれた文学作品。

物語の概要

狩りに出かけた一国の王が、森の中で仙人の養女であったシャクンタラーと出会い一目ぼれします。

王は努力の末、シャクンタラーと夫婦になることを約束し指輪を渡しますが、シャクンタラーはその指輪を失くしてしまい、その王にもとに会いにいきます。

しかし、王はシャクンタラーのことを認識せず、追い返してしまい、シャクンタラーは悲しみに暮れてしまいます。

その後、いろいろとあってハッピーエンドを迎えて物語は終わります。

もう少し詳細な内容については『シャクンタラー』をご覧ください。

この物語を通じて、シャクンタラーが純粋で素直にも関わらず誇りを捨てない女性として描かれています。

『シャクンタラー』はその後、ヨーロッパなどで複数語に翻訳されて多くの作品に影響を与えました。

シャクンタラー
グシャケン
グシャケン

このようにサンスクリット語を通じてインド文学が黄金期を向かえ、同時にヒンドゥー教の世界観が作品を通して伝えられていくことになります。

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数学の発展

ゼロの概念

グプタ朝時代に、数学の分野で発見された記数法がゼロの概念です。

今では誰もが学校で習い、当たり前のように使っている「ゼロ、0」。

グプタ朝以前には、数学で存在しないものに対する表記が無かったんです。

まあ、もともと数字はモノ(目に見えて存在している)を数えるためにできましたからね。ないものを数える必要が無かったんです。

しかし、7世紀頃にインドの数学者の書物には「いかなる数に零を乗じても結果は常に零であること。」や「いかなる数に零を加減してもその数の値に変化がおこらないこと。」など零(ゼロ)の性質が記載がすでにされていました。(引用:世界史の窓、ゼロの概念 (y-history.net)

ちなみに6世紀には十進法によるゼロを使った位上げの記数法がすでに確立されていたそうです。

位上げ記数法・・・いくつかの 数字 を並べて数を表す方法。123、3.14 etc.

六十進法や十進法を使用していた他文明については[1-2.3]メソポタミアの宗教と文化[1-5.2]中南米の先住民文明などをご覧ください。

これらの数学的概念はイスラーム世界に伝わり、現在使用されているアラビア数字とともにヨーロッパに伝わっていきました。

十進法とゼロの概念
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美術

SQ:グプタ様式とガンダーラの特徴の違いとは?

インドを含む南アジアには、もともとヘレニズム文化の影響をうけたガンダーラ美術が生まれていました。

ガンダーラ美術については[3-1.3]クシャーナ朝と大乗仏教をご覧ください。

しかし、その影響から脱して新たに成立したのがグプタ様式です。

ではそれらの違いはいったい何だったのでしょうか?以下の2つの様式をみて考えてみましょう。

ガンダーラ仏像とグプタ様式

ガンダーラ美術はヘレニズムの影響でギリシア彫刻のような顔だちがハッキリとした力強さがあるのが特徴でしたね。

グシャケン
グシャケン

ではグプタ様式の方はどのような印象を持たれましたか?

なんだかガンダーラと比べて素朴な顔立ちでおしとやかな印象があります。

グシャケン
グシャケン

そうですね。グプタ様式では純インド風な顔立ちで、繊細さが強調されているんです。

SQ:グプタ様式とガンダーラの特徴の違いとは?

ハッキリとした顔だちであるギリシア風から、繊細でおしとやかな表情である純インド風な表現へと変わった。

ガンダーラとグプタ様式

中国の北魏でもガンダーラから純中国風へと変化していきましたね。

はじめは外の文化からの影響を真似て、次第に自国に合ったスタイルに変化していくさまがわかりますね。

北魏の仏教美術については[2-3.4]魏晋南北朝の文化②をご覧ください。

このグプタ様式はデカン高原にあるアジャンダー石窟寺院でみることができます。

石窟寺院・・・岩壁の岩を削って、仏像を安置したり、壁に仏像を刻み出したお寺のこと

この石窟寺院は前1世紀~後7世紀にかけて造営された30もの石窟からなる寺院で、インド最古の仏教壁画が描かれており、1983年に世界遺産に登録されています。

アジャンダー石窟寺院と壁画

アジャンダー石窟寺院の内部の画像については、「ユネスコ世界遺産リスト、Ajanta Caves – UNESCO World Heritage Centre」をご覧ください。

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まとめ

MQ:インド古典文化の黄金期に宗教や文化はどのように発展したのか?

A:サンスクリット文学を通じてヒンドゥー教の世界観が認識され、ゼロの概念などの記数法などと共に多文化へも広がりを見せた。加えて仏教美術もそれまでのガンダーラから脱して、純インド風のグプタ様式へと変化していった。

グシャケン
グシャケン

今回はこのような内容でした。

今回はインド古典文化が黄金期を向かえて、都市の経済活動も活発になり、グプタ朝は繁栄していくこととなります。

しかし、次回はグプタ朝が滅びて新たな王朝で仏教やヒンドゥー教に新たな進展がみられます。

それではお楽しみに!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。」by ビスマルク

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