広告

[1-3.1]インダス文明

1-3.南アジアの古代文明

世界史を手軽に学びたい方に向けて授業形式でブログ記事を書いています。復習や予習の際に使いやすい内容になっています。「問い」の設定や記事の最後には使用したパワポもダウンロードできます!それではスタンダード世界史探究をどうぞ!※あくまで1例なので、「MQ」や「SQ」、スライド等は自由にアレンジしてください。

広告

はじめに

グシャケン
グシャケン

今回から「南アジアの古代文明」について授業をします。古代オリエントが歴史を歩んでいる時に南アジアではどのような文明ができていたのでしょうか?

日本の文化にも多くの影響を与えています。

それでは見ていきましょう!

MQ:南アジアではどのような文明が誕生したのか?

今回の時代はここです!

出典『詳説世界史研究』山川出版社
グシャケン
グシャケン

古代オリエント時代でいうと今回はメソポタミアでシュメール人やアッカド人が都市国家を形成していた時代になります。

オリエントの時代と重ねながら見ていきましょうね!

広告

南アジアの環境と民族

環境

南アジアとは現在のインドやその周辺を指す地域です。

南アジア

南アジアには、世界最高峰のエベレストを要するヒマラヤ山脈や大平原であるデカン高原、大河であるガンジス川など様々な地形を有しています。

南アジア 地理

季節風(モンスーン)の影響を受けて雨季と乾季がはっきりと分かれています。そして夏と冬で寒暖差が激しい北部と、年間を通じて高温の南部と大きく2つに分けることができるんです。

資料:中学地理「インド」の重要ポイントをサクッと総まとめ https://chugakuchiri.itgakko.com/world/india.html

なので栽培できるものも北部と南部で異なります。まとめると以下の通りです。

◉全域・・・季節風(モンスーン)の影響で、雨季と乾季がはっきり分かれる。農業と合わせて牛や羊などを飼育。

●北部・・・夏と冬で寒暖差が激しい。乾燥を利用しなどを栽培。

●南部・・・一年を通して高温。温暖を利用したなどを栽培。

民族

ここでインドで使われている紙幣をご覧ください。

インド紙幣

黄色の枠は国内で使われているさまざまな言語で書かれています。これだけの言語が使われているんですね。これでもほんの一部なんです。

この紙幣からわかる南アジアの特徴を一言でいうと「多様性」です。ではこの多様性とは、どのようなものが要因だったのでしょう?

インドの多様性

SQ:南アジアの多様な文化はどんな環境から生まれたのか?

南アジアに住む人たちは、大きく北のアーリア系南のドラヴィタ系に分かれます。

ですが、主要言語だとなんと20近くもあるんですね。方言を入れるとその数は2000を超えると言われています。

日本だと考えられない状況ですよね。笑

なぜこれだけ多数の言語になったのか?それは多様な地理的環境が要因なんです。

インドの北部はヒマラヤなどの山脈やタール砂漠が蓋をして、他はインド洋に囲まれています。なので一度中に入ってくると再び外に出るのが難しい環境になっているんです。

南アジア 地理

なので、進入した民族はそのまま住みつくことが多く、先住民と交わりながらインド各地の多様な環境に合わせてそれぞれの文化を作っていったという流れです。

なので時間をかけてこれだけの言語に分かれ、多様性が作られていったんですね。

SQ:南アジアの多様な文化はどんな環境から生まれたのか?

山脈や砂漠、海洋に囲まれているため、進入民族はそのまま定住することが多く、各地のさまざまな環境に合わせて先住民と同化していったことで多様な文化が生まれた。

南インドは言語だけでなく宗教も多様です。これは後々やっていきましょう。

では、その多様的な南インドの始まりはどのような歴史だったのか、一緒に見ていきましょう!

広告

インダス文明

南アジア最古の文明は、前2600年ごろに起こったインダス文明と呼ばれる青銅器文明です。民族はドラヴィタ系と考えられています。

古代オリエントのシュメール人との交易の記録も残っているほど、世界的にみても最も古い文明の部類に入りますね。

この文明はインダス川流域で発展しました。

インダス文明

代表的な遺跡はモエンジョ=ダーロハラッパーです。特にモエンジョ=ダーロはシンド地方で発見されて、この「シンド」が「インド」の語源にもなっています。

ちなみにこの最初に発見されたのがハラッパーだったのでインダス文明を「ハラッパー文明」とも呼ばれたりします。

モエンジョ=ダーロとハラッパー

これらの遺跡はしっかりとした都市計画のもと整備されていました。レンガのサイズも全て同じだったんですよ。几帳面ですね。笑

モエンジョ=ダーロ 出典:『詳説世界史探究』山川出版社
モエンジョ=ダーロ 出典:『詳説世界史研究』山川出版社

中には沐浴場や穀物倉などもあり、比較的小さい都市国家が各地にありました。大きな王宮の跡がなく巨大な王権はなかったと言われています。

しかし、現在ではモエンジョ=ダーロは灌漑農業での塩害などによって風化がひどく、現在はパキスタン政府やユネスコによって保存作業が進められています。

世界遺産にも登録されているので是非頑張っていただきたいですね。

遺跡からは今でも未解読のインダス文字が刻まれた印章が発掘されています。インドの主流なヒンドゥー教の主神の像や、神聖とされている牛の像なども見つかっています。

まさに南アジア文化の原点という感じです。

印象 インダス文字 出典:『詳説世界史探究』山川出版社

インダス文字は研究でドラヴィタ系の言語だということはわかっていますが、出土数が少なくて(約400)長文での発見もないことから未解読なんです。単語ではなく文法がわからないと動詞なのか名詞なのかわかりませんからね。

そしてこのインダス文明は前1800年ごろまでに衰退してしまいます。

原因は洪水説や環境破壊説やさまざまありますが、いまだにその真相はわかっていません。

インダス文明の衰退
広告

まとめ

MQ:南アジアではどのような文明が誕生したのか?

A:インダス川流域のパンジャーブ地方からシンド地方にかけて、乾燥した気候を活かしたレンガ造りの優れた都市計画の文明が誕生した。

今回はこのような内容でした。

次回は衰退したインダス文明の後に、アーリア人という民族が入ってきて新たな文明を築いていきます。

ここで現在でもインドに根強く残るカースト制が形作られていきます。ではその「カースト制」とはいったいどのようなものなのか?次回もお楽しみに!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。」by ビスマルク

この記事で使用した授業スライドのダウンロードはこちら↓

主な参考文献

『世界史の窓』世界史の窓 (y-history.net)

・木村 靖二 ・岸本 美緒 ・小松 久男・橋場 弦(2022)、『詳説世界史探究』、山川出版社

・木村 靖二 ・岸本 美緒 ・小松 久男(2017) 、『詳説世界史研究』、山川出版社

コメント

  1. satochanko より:

    いつも分かりやすい解説をしていただき、ありがとうございます!

タイトルとURLをコピーしました