この記事で使用したPowerPointスライドは「note」にてダウンロード可能です。PowerPointスライドやWordプリントのダウンロードは記事の最後に貼ってあるURLから!それではスタンダード世界史探究をどうぞ!
はじめに

今回は、今では当たり前の「農耕と牧畜」がどのように始まっていったのか、について授業をおこなっていきます。
MQ:人類はなぜ農耕と牧畜を始めたのか?
氷期から温暖化へ
「農耕・牧畜」がどのような環境変化からできたのかというと、それはずばり温暖化です。
地球は約1万年前まで氷期と呼ばれる氷に覆われた世界でした。しかし、そこから徐々に温暖化がはじまり自然環境は大きく変化しました。

しかし、ただ木が生い茂るわけではありません!人類がアフリカから出た先は現在でいう中東だったんです。石油がたくさん採れるところですね。
温暖化したその地域は、温帯ではなく乾燥帯だったのです。
いままでやってきた狩猟・採集が困難に・・・人類のピンチ!

獲得経済から生産経済へ
そこで人類が始めたのが、植物を自分たちの手で育てる「食糧生産」です。
これぞつまり農耕です!
具体的には、約9000年前に中東の「肥沃な三日月地帯」で麦の栽培が始まりました。
この地域では自然植生していた麦の収穫倍率(1粒から何粒とれるか)が約70倍と現在の収穫倍率より高かったのです!

ここで収穫した一部をまいとけば、また来年取れるじゃん!ずっとここに住もうよ!
そりゃ安定して食糧が手に入るなら、わざわざ食糧求めて移動しないですよね(笑)
これによって農耕定住化がはじまります。

麦栽培を管理し始めるとあることがおこります・・・そう、その麦をもとめて動物たち(ヤギ、羊、豚、牛)が集まってきたんです。(まあ当たり前ですが、、、)
人類は集まってきた動物たちの中で、比較的おとなしい個体だけを管理し、繁殖させていきます。
そしてこれぞまさに動物の飼育、牧畜の始まりです。

穀物を発見 → 食物栽培の開始(農耕) → それに群がってくる野生動物 → おとなしい個体を管理・飼育(牧畜)
このようにして人類の「農耕・牧畜」がはじまりました。
※ジャルモ遺跡…ティグリス川上流でみつかった最古の定住農耕村落
そして人類史は狩猟採集による「獲得経済」から、農耕・牧畜による「生産経済」へと大きく変革をとげていきます。

新石器時代のはじまり
農耕・牧畜がはじまると、人類は集落をつくってそこで暮らし始めます。(農耕定住化)
集落では、それまで使用されてきた打製石器にかわり、生活に必要な織物や土器、また石斧(いしおの)・石臼(いしうす)などの磨製石器が使われるようになりました。


磨いているから打製石器に比べて光沢や丸みがありますね。
打製石器による旧石器時代 → 磨製石器による「新石器時代」の始まりです。
こうした農耕民の新石器文化は、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・アメリカ大陸の各地に広まっていきました。


ちなみに食物を煮たり炊いたりするのに必要な土器は、1万3000年前の日本列島で作られた縄文土器が世界最古なんですよ。
縄文人すごいやんっ。て気持ちになりますね(笑)
まとめ
Q:人はなぜ農耕と牧畜を始めたのか?
A:約1万年前に氷期が終わって温暖化が進み、地域ごとに環境への変化が迫られたため。
今回は農耕・牧畜と定住がはじまり、獲得経済から生産経済へと移っていく中で、新石器時代が始まりました。
ではここで、みなさんに質問です。
SQ:人類の定住化によるメリットとデメリットとは?
いったい何でしょう?考えてみましょう!
では考えられるものはこちらです。
メリット:①安定した余剰食糧の確保 ②外敵(ヒト、動物)からの防衛力強化
デメリット:①資源を狙う外敵(ヒト、動物)の侵入 ②細菌などの感染症蔓延 ③食糧確保が天候に左右されやすい
などがあげられます。メリットだけではなくデメリットなどの課題に注目することも発問では大切です。これ以外にも見つけられた方は素晴らしい!
人類の定住化のあとは余った生産物(余剰食糧)の増加によって階級が現れるなど社会構造が複雑になっていきます。
そしてその後に、これらを基礎として「文明」が現れます。
では文明はどのような条件が必要だったのか?次回はそれについてやっていきたいと思います。
最後まで見ていただきありがとうございました!
「愚者(ぐしゃ)は経験から学び、賢者(けんじゃ)は歴史に学ぶ。」byビスマルク
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